福島県東白川郡鮫川村における指定廃棄物農林系副産物 焼却実証事業の焼却炉建設工事の再開に対する抗議書

2013年5月23日

環境大臣 石原 伸晃 様

 

 前略 貴職は昨日、表記事業の焼却炉建設工事を強行的に再開したことに対して、厳重に抗議を行うとともに、速やかに工事を中止するよう、強く要請します。

 

 そもそも今回の事業を開始する当初の段階から、貴職は鮫川村と一体となって事を秘密裡に進めてきましたが、このことは、事業主体の国自らが率先して情報を広く公表し、適正な手続きを踏まなければならないにも関わらず、民主的な手続きを行ってこなかったことで、関係地域住民に大きな疑念と不信感を醸成した点で、到底容認されることではありません。しかも、地域住民がこの事業のことを自らの手で調べてはじめて知ることができてから、鮫川村や環境省に対して、度々住民説明会の開催を求めてきたにも関わらず、貴職は住民説明会の開催手続きを村役場に任せてきたことは、事業主体としての自らの行政責任を放棄したと言わざるを得ません。

 

さらに、本来であれば、関係地区の地権者だけでなく、周辺地域の影響を受けるすべての住民に対して、説明の機会を設け、全員が納得のゆくまで説明会の開催を行わなければならないにも関わらず、地権者以外の住民を排除してまで密室理で事を進め、鮫川村村長の「大方の住民の理解は得られた」との明らかに事実とは異なった一方的かつ独断的な考えを拠り所にして、昨日、工事再開を強行したことは、多くの地域住民により一層の不信感と怒りを植え付ける結果をもたらしました。

 

 貴職は、前政権時代に、指定廃棄物最終処分場の建設候補地を地元の自治体及び地域住民に対して頭越しに事を進めようとして大きな反対に遭い、その反省から、あらためて立地手続きの見直しを行うために、「指定廃棄物処分等有識者会議」を設置して適正な手続きのあり方について検討を進めてきているのではないでしょうか。このことと、今回の鮫川村における事業の進め方には相当の落差があるのではないでしょうか。指定廃棄物最終処分場の候補地であった栃木県矢板市と茨城県高萩市の場合は、地域住民と自治体の両者の反対に遭ったために手続きの見直しをすることにしたが、鮫川村の場合には、自治体が事業推進に賛成で協力的なことから、「一部地域住民から反対があっても、事業は強行できる」と踏んでの対応ということなのでしょうか。このような対応で今後、事業の円滑な遂行が果たせると考えているのでしょうか。

 

 貴職では、これまで24市町村に同様の事業の引き受けを打診してきた結果、受入れを表明したのは鮫川村のみであったと聞き及んでいますが、他の市町村がなぜ引き受けなかったのでしょうか。他の市町村を納得させられるだけの説得性のある説明をすることができなかったのではないでしょうか。

貴職は、指定廃棄物最終処分場の建設と同様に、指定廃棄物焼却実証事業についても、「指定廃棄物処分等有識者会議」の検討対象に当然含めるべきではないでしょうか。そして、その検討結果が出されるまでは、工事を中断すべきではないでしょうか。

 

指定廃棄物という高濃度放射能汚染廃棄物の焼却処理は、放射能汚染物は、「拡散」「焼却」「希釈」してはならないという「世界の常識」から外れる暴挙といえるものです。工事再開に改めて強く抗議します。

 

 以上のことについて、貴職の工事再開に抗議するとともに、質問要望事項について至急、ご回答をお願いします。

 

 

東白川郡鮫川村青生野十日塚(さめがわむらあおのとおかつか)小型焼却炉設置に関する日立造船所㈱公開質問とその経緯の中間報告

※3・26政府交渉ネット事務局の藤原寿和氏が、東白川郡鮫川村に工事を請け負った日立造船㈱へ質問状を出しています。現時点の状況をお知らせします。

                                                                                                 

                                                                                                     事務局 

 2013年3月5日

 

環境省が福島県鮫川村に設置する指定廃棄物焼却炉をめぐる一連の経緯の中で、3.26政府交渉ネットの事務局メンバーの藤原(止めよう!ダイオキシン汚染・東日本ネットワーク事務局長)は、環境省から事業を請け負った日立造船㈱に対して、なぜ問題の多い傾斜式回転炉という型式の焼却炉を採用するに至ったのか疑問を持ち、2月6日付で、日立造船㈱大阪本社に対して以下の質問を会社の問い合わせメールに投稿した。

これに対して、日立造船㈱総務・人事部 広報グループの中尾 鉄平氏から2月6日付で「質問事項について、受領いたしました。関係部門に確認の上、回答させていただきますので、しばらくお待ちいただきますようお願いします。」との返答があった。

 その後しばらく回答がないので、2月27日付で広報グループの中尾氏宛てに回答の進捗状況について問い合わせのメールを送ったことに対して、同日中尾氏から「現在、担当部門にてご回答を作成しておりますが、まだ、完成しておりません。完成しましたら、ご連絡させていただきます。」との回答があった。

 2月28日に鮫川村の現地では、建設中だった構築物の解体撤去がされたとの連絡を受けたので、3月1日付で、中尾氏に対して、「鮫川村の地元からのご連絡で、建設中だった設備が撤収されたとのことですが、そちらで何か事情がおわかりになるでしょうか。環境省と村にも問い合わせをしてみますが。」とのメールを送ったところ、同日付で中尾氏から「担当部門に確認してみます。当社に何か情報がありましたら、ご連絡させていただきます。」との返答があった。

 また、同日、日立造船㈱の直接の担当部門が判明したので、中尾氏に対して以下のメールを送った。

「ご担当が以下のセクションの方だと思いますが、今後は直にお問い合わせをさせてい ただこうと思いますが、連絡先のアドレスをお知らせいただけないでしょうか。


 エンジニアリング本部開発センター センター長 家山 一夫氏

                  部長代理  横田 和政氏」

 


 この問い合わせに対して、同日中尾氏からは以下の返答があった。

「お世話になっております。日立造船の中尾です。担当者の連絡先についてですが、本件につきましては、ご連絡いただいた部門以外にもの複数部門が関わりながら、ご対応させていただいております。

当社として、統一した見解でご説明させていただく必要がありますので、小生が所属している広報グループにて対応させていただきます。誠に申し訳ございませんが、担当者の連絡先をお教えすることは控えさせていただきます。」

 3月5日に至るも最初の質問に対していまだに回答がないので、中尾氏に対して以下の要請を行った。

「中尾様 藤原です。ご多忙だとは思いますが、すぐにでもご回答を頂けるものと回答期限を設けておりませんでしたが、いたずらに日延べをされても次のステップの行動に移ることが出来ませんので、恐れ入りますが回答期限を3月8日(金)までとさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。この期限までの全回答がそろわない場合には、回答ができる項目からで結構ですので、できるだけ速やかに対応をよろしくお願い致します。」

 現在はこの回答待ちです。

(文責)藤原寿和

 

【資料】

 

2013年2月6日

日立造船株式会社 御中

 

止めよう!ダイオキシン汚染・東日本ネットワーク

事務局長 藤原寿和

 

鮫川村に設置される指定廃棄物焼却炉に関する質問

 

①傾斜式回転炉の選定をされたのは環境省でしょうか、それとも御社でしょうか。

②選定するに際して各種の焼却炉や溶融炉の比較検討を行われたのでしょうか。

③傾斜式回転炉の稼働実績に関する事前調査は行われたのでしょうか。

④傾斜式回転炉を選定した理由について教えていただけますでしょうか。

⑤傾斜式回転炉が他の炉と比べて優れている点、また劣っている点は何でしょ うか。

⑥傾斜式回転炉で過去に不具合やトラブル、事故等を起こした事例についてご存知でしょうか。

⑦傾斜式回転炉を運転管理する面での注意事項がありましたら教えていただけますでしょうか。

⑧附置されるバグフィルターの材質、強度、メッシュ径、薬剤コーティングの有無、性能評価等について

⑨既存の設備に附置されたバグフィルターの破損、焼損等の不具合の発生事例 について

⑩バグフィルターの破損等のチェックシステムについて(例・差圧検知、温度検知等)

⑪バグフィルターの除塵率の経時的変化の推測値について

⑫へパフィルターの併置の必要性について

以上ですので、よろしくお願いします。